3月29日(土)愛知県国際展示場で開催の「3150×LUSHBOMU vol.4」のメインイベントで、IBF世界フライ級王者のアンヘル・アヤラ（24・メキシコ）に挑戦するIBFライトフライ級王者・矢吹正道（32・LUSH緑）が名古屋市内のLUSH緑ジムで会見後、スパーリングを公開し、スパーリング後、記者の囲み取材で質問に答えた。

スパーリングの前に行われた会見ではリラックスした表情の矢吹が「いつも通りに練習して仕上げています。スパーリングは今まで100ラウンドくらい。身長の高い相手とやってきました」と話し、この日までに自分より身長の高い“仮想アヤラ”を想定した長身のスパーリングパートナー達と100ラウンドのスパーリングで順調な仕上がりを伝えると、専属トレーナーとして矢吹を指導するタキザワジム・滝沢卓会長も「前回（2023年10月のIBFライトフライ級世界戦で9ラウンドTKO勝ち）も仕上がりは良かったが、今回もすごく良い仕上がり。経験を重ねて、熟練の味がボクシングに出ている」と矢吹の仕上がりの良さを伝えた。最後に試合への向けての意気込みを問われた矢吹は「（試合では）アヤラを痛めつけて、最後はKOで勝ちたい」と力強い意気込みを語った。

公開されたスパーリングでは、スパーリングパートナーの元WBC世界フライ級王者、クリストファー・ロサレス（30・ニカラグア）との4ラウンド、世界王者経験者同士の“豪華スパーリング”を披露。スパーリングでは好戦的なメキシカンであるアヤラを想定して、接近戦を多用したスタイルを見せた矢吹だったが、持ち味である右の強打は健在で、抜群のタフネスで知られるロサレスが、矢吹の右ストレートを被弾し動きが止まる場面も見られた。また、左右のスイッチスタイルを武器とするアヤラを真似たロサレスが“サウスポースタイル”に変わった際も矢吹はしっかりと対応し、順調な仕上がりぶりを見せた。

スパーリングの後にはアヤラとの対戦経験（2022年4月にアヤラが判定勝ち）のあるロサレスが、アヤラの特徴と対策を矢吹に“伝授”する場面も見られた。今回、ロサレスとともに矢吹のスパーリングパートナーを務めるWBOスーパーフライ級6位の健文トーレス（37・TMK）もスペイン語の通訳をしながら、ロサレスと共に矢吹へアドバイスを送った。また記者から、矢吹とアヤラの比較を問われたロサレスは「アヤラは手数が多いけど、矢吹はパワーがあるし、ラウンドを重ねるごとに良くなってくる印象。矢吹が10ラウンドぐらいにKOすると思う」と矢吹の二階級制覇へ太鼓判を押していた。

スパーリング後の囲み取材で感想を聞かれた矢吹は「ロサレスはとても良いスパーリングパートナー。良いパートナーを呼んでいただき感謝しています。リーチも180センチくらいあって、日本人には無い独特なタイミングでパンチを打ってくる。初めての感覚かもしれません。試合に向けて良い経験になります」と話し、元世界王者と現役の世界ランカーという“豪華な”二人のスパーリングパートナーと共に、29日に行われる二階級制覇をかけた大一番、無敗王者・アヤラ打倒へ向けて仕上げていく。

「3150×LUSHBOMU vol.4」詳細

「3150×LUSHBOMU vol.5」詳細