【新たな歴史を刻む　異例の2階級制覇への挑戦】

日本ボクシング界に矢吹が新たな歴史を刻もうとしている――。ライトフライ級王座を保持したまま、1つ上の階級であるフライ級の世界タイトルに挑む異例の挑戦。昨年10月、矢吹は自身に団体目の王座となるIBFライトフライ級王座を獲得し、その勢いのまま2階級制覇を目指す。武器である強烈なジャブ、そして正確で破壊力抜群の右ストレートがフライ級でも通用するかが焦点となる。一方のアヤラは、昨年8月に王座を獲得し、今回が初防衛戦。積極的に前に出るスタイルとフットワークを駆使したスタイルの両方が可能な万能タイプで、豊富なスタミナを活かし、矢吹の動きを封じ込めることができるか。軽量級を超えたスケールの大きな戦いになることは必至！ハイレベルなフライ級戦線から抜け出すのはどちらか――。

【才能か、経験か――　プロキャリア3戦目の横山の冒険マッチ】

プロキャリアわずか3戦目でタイトルマッチに挑む横山。その才能はデビュー前から多くの関係者からの注目を集めており、ここまで着実に成長を遂げてきた。昨年12月にはOPBFランカーのデンマーク・ケビト（フィリピン）を撃破。ダウンを喫しながらも手数は落ちず、粘り強いボクシングを見せ、タイトル戦線に名乗りを上げた。迎え撃つ王者・マグラモは、かつて世界戦も経験した実力者。アグレッシブな戦いぶりと圧力の強さで相手の良さを削り取るスタイルが特徴だ。横山が持ち味であるとテクニックとスピードで王者の猛攻をかいくぐり、初戴冠なるか。

【世界ユース王者・佐野の真価を問われる一戦】

佐野は静岡県から初の世界王者を目指す逸材。昨年12月にWBC世界ユース・スーパーフライ級王座を獲得し、さらなる高みを目指している。抜群の距離感とバランスの取れたスタイルに、決定力の高いボディブローが武器で、試合運びの巧さにも磨きがかかっている。対するナッタポンは13勝のうち9つのKO勝ちを誇るハードパンチャーで倒し倒される激闘型。この危険な相手のペースに巻き込まれず、佐野が自分のペースで試合を進められるかが大きな鍵となりそうだ。佐野としてはこの試合でアピールしてタイトル戦線に浮上したいところ。

【英豪が階級変更で新たなステージへ】

英豪が階級を一つ下げ、新たな挑戦に臨む。これまでのライト級ではリズム感のあるジャブと鋭いワンツーを武器に戦ってきたが、階級を一つ下げたスーパーフェザー級でのパフォーマンスは未知数だ。対するサンティシマは、25勝中21KOという高い決定力を誇る強打者。経験とパワーではサンティシマが上回る中で、英豪が、スピードとテクニックを活かしてどのように試合を組み立てるか。前回の試合で見せた冷静な試合運びが通用するのか、新たなチャレンジとなる。

【20歳の若武者・岡本が臨むのは「井上尚弥と戦った男」】

20歳ながら既に完成度の高いボクシングを披露している岡本。シャープなジャブを軸に、攻守のバランスが取れたボクシングが持ち味だ。対するダスマリナスは、元世界1位の実力者で、かつて世界戦で現4団体スーパーバンタム級王者・井上尚弥（大橋）と拳を交えた経験を持つベテラン。これまでに培った経験値と戦術を駆使し、若武者の勢いを封じにかかるだろう。岡本の前に立ちはだかる“プロキャリア最強”の相手に対し、岡本がどのような戦い方を見せるかに注目。

【激戦必至！回転力 vs.鉄壁のタフネス】

花田は回転力のある攻撃とボディ打ちを得意とするファイター。昨年10月の試合では負傷ドローとなったが、内容では主導権を握っていた。対するグラは、これまでKO負けがないタフなサウスポーで、WBCユース・タイトルマッチの対佐野遥渉（LUSH）戦でも好試合を見せたファイター。タフな相手を攻略し、悲願のランキング入りを狙う花田にとっては重要な一戦であり、決して侮れない相手となる。

【期待のルーキー・入田がプロの第一歩を踏み出す】

プロデビュー戦を迎える入田が、プロキャリア18戦のタイのナタノンと対戦する。アマチュア時代には積極的なスタイルで評価を受けてきた入田が、プロのリングでどのような戦いを見せるのかに注目。持ち前のフィジカルとスピードを活かし、攻撃の手を休めずに試合を組み立てたい。プロキャリアでは遥かに上回る相手に対し、入田がペースをつかむことができるか。