WBO世界ミニマム級王者・谷口(ワタナベ)の2回目の防衛戦。対する挑戦者のジェルサェム(フィリピン)は、これが2回目の世界挑戦。
1ラウンド、サウスポーの谷口は上体を動かしながら自分のリズムを作ると、深く踏み込んでの左ボディをヒットさせる。カウンター狙いのジェルサエムは鋭い踏み込みからの右オーバーハンドで攻め立て、1ラウンド目からお互いが有効打をヒットさせる緊迫感のある展開となった。
続く2ラウンド目にまさかの結末。本来ならば一定の距離を保ちながら攻撃を仕掛ける谷口がジェルサェムの射程圏で止まった瞬間、ロープを背にしたジェルサェムが渾身のワンツー。谷口はジャブを避けた際に死角となった右ストレートをまともに被弾し、腰から崩れ落ちるダウン。谷口はすぐに立ち上がろうとしたものの、キャンバスに後頭部をぶつけた影響もあり、足元がふらついたところで無念のレフェリーストップ。
見事なKO勝ちを飾ったジェルサエムが2回目の世界挑戦で新チャンピオンとなった。
これまでプロ、アマ無敗の重岡が、9戦目にして初の世界挑戦。
開始早々、サウスポーの重岡が前の手で距離を測ると左ストレートで顔を弾き先制攻撃。
2ラウンド、重岡はプレスをかけて右フック、ワンツーと有効打を当てた。対するバラダレスも打ち終わりに右のオーバーハンドを合わせた。
続く3ラウンド、何度か頭がぶつかる中でバラダレスの頭と重岡の顎が当たる。すると予想外の展開に、、、
バラダレスがダメージを訴え、休憩が与えられるが試合に応じる様子は見られず。レフェリーの判断により、試合続行は不可能と判断。
会場が騒然とする中、無効試合となった。
重岡の初の世界挑戦は不完全燃焼に終わった。
日本ヘビー級王者・但馬の4戦目を迎え撃つのは、右ファイターのスタット・カーラレック。
カーラレックは左右フックを繰り出すが、但馬はビクともせず優勢に試合を進める。
但馬のパンチからなんとか逃れようとするカーラレックだが、怒涛の連打からの右フックで倒し10カウントを数えさせた。
但馬はデビューから4試合連続初回KO勝ちを飾った。
木村と力石による日本ス―パーフェザー級注目のこの一戦。
オーソドックスの木村とサウスポー力石が前の手で距離の探り合い。
2ラウンド、木村は変則的な動きから左フック、右フックを叩きつけて腰を沈めさせた。
3ラウンドも木村の鋭い踏み込みが目立っていたが、力石は慌てずにチャンスを伺い、右フックから左ストレートを振り抜いてダウンを演出。
4ラウンド、お互い真剣を斬りあうような攻防を魅せると、ラウンド終了間際に力石は右フックを決めて2度目のダウンを奪った。
5ラウンド、流れを変えたい木村は、力石の強烈な左アッパーでダウンを奪われた。なんとか立ち上がろうとした木村だったが、レフェリーは試合続行不可能と判断し、10カウントを数え上げた。
力石が見事なKO勝利でで新チャンピオンに輝いた。
試合発表会見からバチバチだった中川と山下による因縁マッチ。
初回、中川は左で距離を保ち、山下はジリジリと距離を詰めて対抗した。
2ラウンド、山下は右ストレートに左フックを合わせると、飛び込んで左フックをヒット。しかし中川は慌てず、3ラウンドに右ストレートを打ち下ろすと左右にパンチをまとめて攻勢。右アッパーでグラつかせて右のパンチでダウンを奪った。
続くラウンドも中川はジャブを上手く使い、動いたのは5ラウンド。懐に飛び込みたい山下だったが、中川はジャブからタイミングのいい右アッパーをジャストミートさせた。
キャンバスに大の字になった山下を見てレフェリーはノーカウントで試合をストップし、中川が勝利した。
相手の棄権により、急遽決まった日本フェザー級王者 坂晃典とのエキシビションマッチ。
初回から両者手を出し合う展開。
王者坂は手を緩めず、強烈なボディーショットをヒット。福重の顔が歪む場面も見られたが、福重は何とか持ちこたえ気合いで打ち返した。
続き2ラウンドも、どのパンチが当たっても倒れそうな展開になり、最後まで激しい打ち合いとなった。
プロキャリア18年を締めくくる大沢のラストマッチ。
初回、樋口がフィジカルの強さを活かして積極的な攻撃を展開。ロープに詰めて連打を繰り出すが、大沢は狙いすました左フックでダウンを先取。再開後、ジャブを合わせてダウンを追加した。
2ラウンド、大沢はジャブで3度目のダウンを奪うと、3ラウンド、劣勢を挽回したい樋口は果敢に攻めるが大沢へのクリーンヒットは生まれず。
最終ラウンド、樋口は左右フックで積極的に攻めるが大沢は冷静に対応。ラスト30秒を切ったところで渾身の打ち合いとなり、キャリアの差を見せた大沢が有終の美を飾った。
再起戦の奈良井と37歳の一道が激突した。
初回、両者距離の探り合いという展開。
一道は長いリーチをいかしたパンチを魅せ、奈良井は素早い踏み込みからの攻撃を魅せた。
2ラウンド終了間際、奈良井の右オーバーハンドが一道にヒットし、左目を瞑る仕草を見せはじめた。
続く5ラウンド、一道が大きく振った右アッパーが奈良井の顔面をヒット。バランスを崩した奈良井はダウンを宣告された。
最終ラウンド、冷静な試合運びを見せ、ポイントを加点した奈良井が再起に成功した。
メキシコからの逆輸入ボクサー花田と世界ランカーのビリャルが対戦。
初回、シャープな左を飛ばす花田に対し、ビリャルはステップインから左フックをヒット。
反撃に出たい花田だがビリャルはペースを渡さず。
3ラウンド、花田はボディ攻撃を繰り出し反撃に出るもラウンド終盤に右ストレートを浴びて足元がもたつく。
4ラウンド、花田が左フックを決めて腰を沈めたビリャルに連打でダウンを演出。再開直後、ラッシュをかけダウンを追加した。フィニッシュを狙うが仕留め切れず。
勝負が決まったのは7ラウンド、花田の右カウンターで足をグラつかせると、パンチをまとめてレフェリーストップに持ち込んだ。
序盤の劣勢を跳ね返し、打ち勝った花田が勝利した。
北京五輪柔道100㎏超級金メダリスト、イシイの2戦目。
サウスポーのイシイが開始早々、左オーバーハンドをヒットさせ先制攻撃。それに対してハンも負けじと左右フックで応戦。
2ラウンド、相手のロングパンチを距離で外したイシイは、単発の左を当てる。
3ラウンド、イシイは細かいパンチで押し込んで体力を奪いにいくが、ハンも必死の反撃。
最終ラウンド、パンチを打ち込みたいハンだが、体を密着させてくるイシイに決定打を決められず。それでも手数を手数を出しつづけてジャッジに攻勢をアピールした。
ジャッジ2者が勝敗を決めることができず、引き分けとなった。
初回、ジリジリと距離を詰める芝野に対し、森本は打ち終わりを狙い左ボディを痛打。動きが止まった芝野に迫り、左フックでダウンを奪った。絶好のスタートを切った森本。
2ラウンド、森本はここぞとばかりにパンチを打ち込む。猛攻撃の中、右ストレートで顔を弾きレフェリーストップ。
リング上でマイクを握った森本は「全力で練習してきたのでこういう形で勝つことができて嬉しい。成人式があるので綺麗な顔で終わって良かった」
と感想を語った。