30日、愛知県国際展示場で開催した「3150×LUSHBOMU vol.5」のメインイベントで行われた、WBC世界ミニマム級タイトルマッチは王者、メルビン・ジェルサレム(フィリピン)と挑戦者で同級1位の重岡優大(ワタナベ)が対戦。
昨年3月31日以来の再戦となったこの試合、昨年の両者の試合では当時の王者、重岡が挑戦者・ジェルサレムに1-2の判定負け。今回の試合は重岡がジェルサレムへのリベンジをかけた試合となった。
試合は前の試合で重岡から2度のダウンを奪ったジェルサレムがノーモーションで放つ“見えない右”を警戒した重岡が、ジャブで様子を伺う展開からスタート。迎えた3ラウンド、ジェルサレムの頭が重岡の右目下に当たる偶然のバッティングもあったが、ジェルサムの右が重岡の顔面にヒット。ここからジェルサレムの的確なパンチがヒットしていく。
4ラウンド、8ラウンド後に公開された採点ではジャッジ3者がいずれもジェルサレムを支持。なんとか展開を変えたい重岡だったが、ジェルサレムの巧みなディフェンスと多彩なコンビネーションに苦戦を強いられる。
重岡は左右のボディショットでジェルサレムにダメージを与えるも、形勢逆転とはならず。試合はジャッジ3者が8ポイント、4ポイント、10ポイント差をつける大差の判定でジェルサレムが同王座の2回目の防衛を果たした。
試合後の重岡は「完敗。俺が弱かった。ジェルサレムが強かった」と潔く自身の敗戦を受け止めるも「3ラウンドに右をもらって視界が二重になった。戦い方を変えないといけなくなてしまった。それでもあきらめなかったことが唯一の収穫」と3ラウンドに分岐点があったことを語った。そして「前回(の敗戦)より悔しさが無いのが悔しい。この後のことは分からないけど引退はしないと思う。階級を上げてもう一回やるしかないのかな」と厳しい減量苦から解放される一階級上のライトフライ級への転向を示唆した。
再戦での完勝となったジェルサレムは「3ラウンドに重岡が目の下を痛めたのは分かっていた。重岡のボディショットは効いた時もあったけど、この試合のために厳しい練習をしてきたから耐えられた。前回の試合より自分が強くなった姿を見せられた。でも(重岡)優大は強かったし、最後まで気は抜けなかった。前回の試合でチャンスをもらえたから今回の試合がある。対戦してくれた優大、マネージャー、応援してくれる皆さん、今回の試合を組んでいただいたプロモーターの亀田プロモーションに感謝しています」と重岡の実力を評価しつつ、周囲の関係者への感謝を述べた。
尚、当日はこの試合を含めた「3150×LUSHBOMU vol.5」の模様はABEMAにて全試合が無料生中継された。