3月29日(土)、愛知県国際展示場で開催された「3150×LUSHBOMU vol.4」のメインイベントで、IBF世界フライ級王者のアンヘル・アヤラ(24・メキシコ)とIBFライトフライ級王者・矢吹正道(32・LUSH緑)によるIBF世界フライ級タイトルマッチ12回戦が行われた。IBF世界ライトフライ級王者の矢吹が1階級上のIBF世界フライ級王者のアヤラを12ラウンド1分54秒TKOで破り、日本人初となる2階級同時世界王者となった。
矢吹は1ラウンド終了間際、カウンターの左フックで最初のダウンを奪うと、2ラウンドには右のショートカウンターで2度目のダウンを奪った。3ラウンドにはアヤラの頭が自信の右目下に当たる偶然のバッティングで激しく流血すると、対戦相手のアヤラも額から流血。ここからは両者の顔から血がしたたり落ちる流血戦となった。
2回のダウンを奪われながら強い気持ちで立ち向かってくるアヤラに対し、冷静に的確なジャブと、左右のカウンターで対応した矢吹、迎えた最終12ラウンド、矢吹の右のショートカウンターが炸裂し3度目のダウンを奪う。再開後、畳みかける矢吹に対してダメージが大きいアヤラを見たレフェリーが試合をストップ。3回のダウンを奪って、12ラウンドを通じて5ラウンド以外はほぼ全てのジャッジのポイントをピックアップしていた矢吹が内容的にも完勝していた。
試合後の勝者インタビューで、矢吹は「応援ありがとうございます。応援してくれる方やスポンサーの方々のおかげてボクシング一本でやっていただけている。今日の勝利はスポンサーと皆様のおかげです」と周囲に感謝した。
その後、目の下を縫う治療を終えての囲み会見では「アヤラは効いてる素振りも見せず打ち合ってきた。パンチも生きていたし。やっぱりフライ級はパンチ(力)が違うなと。ダウンを奪っていたけど余裕は無かった」と語り。「(試合)をやっている時にバッティングの後は視界が曇ってきて弱気になり『オレ(気持ちが)弱えな』と思った。」と試合を振り返ったが、12ラウンドには弟で5月に世界初挑戦に挑む力石政法(30・大橋)のセコンドからのGOサインの指示がありKOへとに繋がった。
「(弟に)いいバトンが渡せた」と最後は兄弟の夢である「兄弟同時世界王者」の実現を願っていた。
30日(日)は同会場でメインイベントのWBC世界ミニマム級タイトルマッチを始めとした「3150×LUSHBOMU vol.5」が行われ、ABEMAにて全試合が無料生中継される。