亀田興毅ファウンダー・重岡銀次朗・重岡優大・亀田和毅
10月7日(土)に東京・大田区総合体育館で開催される「3150FIGHT vol.7」へ出場するWBC世界ミニマム級暫定王者・重岡優大、IBF世界ミニマム級暫定王者・重岡銀次朗(ともにワタナベ)の重岡兄弟と、元世界二階級制覇王者・亀田和毅(TMK)が出席して都内で記者会見を行った。
重岡兄弟の会見では、タイからWBC同級正規王者のパンヤ・プラダブスリ(タイ)、メキシコからIBF同級正規王者のダニエル・バラダレス(メキシコ)がオンラインで会見に出席。重岡兄弟とのクロストークを交わした。
続いて行われた亀田和毅の会見では、スーパーバンタム級からフェザー級に転向した経緯が説明され、亀田和毅はスーパーバンタム級で実現されなかった井上尚弥(大橋)戦の可能性にも言及した。
会見に同席した実兄である「3150FIGHT」亀田興毅ファウンダーは「(井上vs亀田は)実現しないこともない。そうなれば日本中が盛り上がるのかなと。それが決まれば夢のカードで面白い」と将来のビッグマッチ実現へ思いを馳せた。
尚、10月7日の「3150FIGHT vol.7」の模様はABEMAにて全試合無料生中継される。
亀田和毅(TMK)
プロボクシングイベント「3150FIGHT vol.7」(10月7日、東京・大田区総合体育館)の記者会見が6日に都内で行われ、亀田三兄弟の三男で元世界2階級制覇王者の亀田和毅(TMK)の参戦が正式に発表された。
まずは司会を務めたWOWOW「エキサイトマッチ」の実況も務める高柳謙一アナウンサーから、和毅のフェザー級転向の経緯が発表された。内容は亀田和毅が2021年にWBA世界スーパーバンタム級の挑戦者決定戦に勝利したものの、世界挑戦の機会が訪れず、フェザー級で三階級制覇を目指すことになったというもの。
一度はWBAから当時の世界王者・マーロン・タパレス(フィリピン)への挑戦が承認されたものの、翌日に覆ってしまったため、スーパーバンタム級での世界挑戦が白紙となってしまった和毅は「今回の件はものすごく辛い気持ちでした。全てのボクサーが世界王者になるために毎日汗水たらして練習を頑張ってる。それは自分も同じです。この2年、ルールに沿って挑戦権も取って権利も獲得しWBAの1位までたどり着いた中で、こういうことがあったので」と振り返ったが、すでに気持ちは切り替わっており「全て経験かなと。誰にもできないことが経験できたので。未来の自分の糧になると思います」と前を向いた。
2年前に一度はフェザー級に転向を決めていたが、「当時(バンタム級だった)井上チャンピオンがスーパーバンタムに上げてくると聞いて『1%でも(対戦の)可能性あるなら』と思って、スーパーバンタム級での世界王座獲得を目指していた」と告白。しかし、その井上尚弥が和毅より先にWBC&WBOでスーパーバンタム級の世界王座を獲得、次戦ではWBA&IBF同級王者タパレスとの4団体統一戦を見すえている。さらにその偉業達成後はフェザー級に転向しての5階級制覇を目指すことに言及したばかりだ。
これを受けて和毅は「ボクサーみんなが(井上選手と対戦したいと)思っているでしょう。その階級のトップと試合をして、今の自分が通用するのかどうかを試してみたいのは誰もが思うこと」と対戦に意欲を見せた。しかし、「自分はまだそこまで言える立場ではない。フェザーで今いる4人の王者とどこでも戦いたいです。まずはフェザー級で世界王者になることを目指します」と語った。
亀田興毅ファウンダー・亀田和毅(TMK)
「3150FIGHT」亀田興毅ファウンダーは実弟の亀田和毅の“「3150FIGHT」復帰”について「一時期はプロモーターとしての自分の力不足で和毅の世界戦をプロモートできなかったが、今はようやく自分も少しは力をつけられた。和毅に話をして『もう一度、亀田家で一枚岩となって頑張って行こう』と話をした。和毅には試合のマッチメイクや興行のことを考えずに、ボクサーとして練習に専念できる環境を作ってあげたかった」と語った。
将来的な対戦が話題に上がる井上尚弥と和毅の対戦については「次に井上選手がタパレスとやって統一したらフェザー級に上げると話をしているし、そう遠い話ではないと思う。その時に和毅がチャンピオンであれば、実現しないこともない。そうなれば日本中が盛り上がるのかなと。それが決まれば夢のカードだと思うし、面白いんじゃないですかね」と弟・和毅がフェザー級で世界王座を戴冠する条件付きながらも“夢のビッグマッチ実現”を期待していた。
重岡銀次朗(ワタナベ)
重岡兄弟の弟・銀次朗は1月にIBF王者ダニエル・バラダレス(メキシコ)に世界初挑戦したが、3回に偶然のバッティングで王者が負傷し、試合続行不可能で無効試合となった。劣性だった王者が、故意に負傷を狙う作戦に出たなどと物議を呼んだ。続く4月16日に再戦を目指したが、バラダレスが1月の試合での左鼓膜負傷の回復が思わしくないと銀次朗との再戦を拒否し、銀次朗は別の選手との暫定王座決定戦に臨み勝利した経緯があった。しかし、銀次朗とバラダレスの再戦は8月11日に予定されていたが、今度は銀次朗がトレーニング中に負傷。因縁の再戦は延期となっていた。
銀次朗は怪我の状況を含めて試合に向けての意気込みを聞かれ「怪我は治りましたし、ランニングを軽く始めています。8月11日は気合いが入っていたし試合をやりたかったけど、興毅さん始め、『3150FIGHT』の方たちや準備してくださった皆さんに迷惑をかけた。改めて一人でやっているんじゃないと実感した。10月は文句なしの戦いで勝ちたい。初回から着実にプレッシャーをかけていきたい。対策は全くしていないけど、自分のスタイルを進化させているところ。4月と違った姿を見せられると思う。あとは、相手の頭に注意してクリーンな試合を見せられたらと思う。KOします。KOしか狙っていない。長丁場でもプレッシャーをかけ続けて必ずどこかで仕留めたい」と冷静にKOでの王座統一を宣言した。
リモートで会見に出席した正規王者・バラダレスは、前戦について「リングで起きてしまったアクシデントで続けられなかった。互いに再戦を臨んでいた。時期は延びたけど白黒はっきりつけたい」と意気込み、8月には銀次朗の怪我で延期されたことに対しても気にしてはおらず「この試合が決まって何より満足している。今回の試合は前回と全く違う展開になると思う。どんな展開でも対応する準備はしている。勝つのは自分」と強気に試合を展望してみせた。
重岡優大(ワタナベ)
兄・優大は4月16日にWBC王者パンヤ・プラダブスリ(タイ)に世界初挑戦の予定だったが、王者がインフルエンザに感染して2週間前に中止に。急きょ変更された対戦相手を下し、暫定王座を獲得した経緯があった。次戦は団体内王座統一戦が基本線だったが、パンヤが6月にタイで別の選手との防衛戦を強行。続いてWBCが優大との対戦指令を出した末、交渉がまとまらず興行権は入札にもつれ込んだものの、ミニマム級では「破格」の21万3000ドル(約3150万円)で亀田プロモーションが落札。亀田興毅ファウンダーが意地を見せて、団体内王座統一戦を日本で開催する権利を手にした。
優大は「WBCから指令が来て、どちらも逃げも隠れもできない。先に防衛戦をやったりとか、過去の話はどうでもいい。どちらが本当の王者かを決めるだけ。暫定王者というものに一番すっきりしていないのは僕自身。満足も納得もしていない。(相手のパンヤは)アウェーでリスクがあるとわかっていながら、その中で来てくれる。防衛しているチャンピオンなのでリスペクトはしています。でも、その上で俺がチャンピオンだと証明する。しっかり仕上げてチャンピオンの名に恥じない仕上げをして試合に臨みたい。KOします。それだけです。10月7日は銀次朗と二人で王座統一します」 と兄弟二人でのKO勝利と王座統一を宣言した。
リモートで会見に出席した正規王者・パンヤは「病気が治って試合感覚が空いたので1回、世界戦を挟みたかった。今はとても体調がいい。日本開催でも特に緊張はしていない。普通に試合をするだけだ。私も優大選手を尊敬していますし、10月7日は互いの技を出し合って良い試合をしましょう」と返答した。
亀田興毅ファウンダー
「3150FIGHT vol.7 ~拳闘士はゲンコツで語る~」として開催される今回のイベントは、重岡兄弟のダブル世界王者統一戦に加えて、亀田3兄弟の三男で元世界2階級制覇王者・和毅(TMK)がフェザー級転向初戦として参戦。さらに日本ヘビー級王者・但馬ミツロ(KWORLD3)やアマチュアボクシング出身の「3150エリート」メンバー、政所椋(KWORLD3)、花田颯(KWORLD3)の出場が発表されている。
会見で亀田興毅ファウンダーは、事前に用意した幕の内弁当を取り出し、「今回の『3150FIGHT vol.7』は、まさに幕の内弁当。いろんなものが詰まっている。色々な好カードが揃っているので、観ている方にも楽しんでもらえると思う。これからも『3150FIGHT』では王道といえる本物の好カードを提供していきたい」と幕の内弁当を持ちながらアピールした。
尚、10月7日の「3150FIGHT vol.7」の模様はABEMAにて全試合無料生中継される。
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